2017年3月『臨床美術』

2017年3月『臨床美術』

2017年2月26日と3月2日の2日間に渡って第一回『アートセラピーを楽しみながらきちんと学ぶ会』を開催しました。
大好評につき、今回2日間にわけての開催となりました。たくさんのご参加いただきありがとうございます。

今回のテーマは『臨床美術(りんしょうびじゅつ)』

臨床美術は、認知症の改善を目的として開発されたアートセラピーです。
絵の分析などは一切行わず、参加する全ての人が安心して自己表現できる場所作りを行っています。

五感と右脳を活性化させ、かつ本格的な芸術活動も視野に入れたその独自のプログラムは、医療機関にも取り入れられ結果を残しています。

今回臨床美術で取り扱ったモチーフは『ザクロ』

輪郭から書いていくことが普通ですが、臨床美術ではザクロの香りや味をしっかり感じてから描きます。

↑写真はザクロの“中身”を描いているところ。
ザクロの果肉の味から感じる色や、色つやをよーく観察すると見えてくる色を使って、ザクロの果肉を表現していきます。

ザクロの中身を描いてから、外側を描きます。
この時もただ描くのではなく、まずは目をつぶって触覚を研ぎすませ、ザクロの質感を感じながら描きます。表面がツルツルしたザクロがあれば、ザラザラしたザクロも。ずっしり重いものや軽いもの…。それぞれ自分の目の前にあるザクロに集中して五感でザクロを描きました。


ザクロが描けたら、凹凸に注目しながらゆっくりとハサミを入れます。
そしてはじめに割ったザクロを思い出しながら描いた作品をふたつにちぎります↓

いよいよ最終段階のレイアウト。
ザクロの中身と外側を自由に構成していきます↓

完成作品はこちら!

自由でのびのびと。目の前のザクロを素直に表現した作品ばかりです。

参加者様からいただいた感想

とてもとても楽しかったです。
ザクロの実の色では、こんな色を自分が出せることにびっくりしました。
小さい頃近所に画家さんがいらしてその方の描いたリンゴの色がこんな感じでその時はなぜ赤いリンゴがあんな色になるのか分からなかったのですが、今日の体験でそれが分かったような気がしました。
また参加したいです。ありがとうございました。
小さい頃から絵を描いたりものを作ること(工作など)が大好きで思う存分に没頭していました。でも、今となっては家事に仕事に、やらねばならないことがあって好きなことをやりたいとは思いつつ、やらねばならないことが頭をよぎって没頭できないのが分かっていたので、結局そういう時間をあえて作っていませんでした。でも、今回のアートセラピーで、それが叶いました!視覚、触覚、味覚、嗅覚それぞれから来るイメージに合う色を、沢山の色の中から自由に選ぶ時、小さい頃によく遊んでいた着せ替え人形のお洋服をワクワクしながら選んでいた感覚を思い出しました。とにかく自分だけの自由な時間にどっぷり浸かった満足感がありました。余計なことを考えずに、今やっていることにとことんハマることは、とっても心地がよく、そして、終えたときの爽快感はなんとも格別でした!
夢中で集中して描いていました。
集中している間は何も考えずただ「今」ここを楽しむことができ、すっきりしました。
初めて臨床美術を体験出来、貴重な体験楽しい時間をありがとうございました。
引き続き、アートセラピーを楽しみながらきちんと学ぶ会に参加してみなさんと学んでいきたいと思います。
とても素敵な時間でした。
何より没頭できることがうれしかったです。今後も参加したいです。
脳のどこかが刺激されて、ドーパミンがどどーんと流出された感じがあります…。
とにかく楽しかった!!です!
夢中になって、絵を描いたり工作したりしていた子どもの頃、そう言えば作品を作りながら、色々な空想をしていたなぁ…と思い出しました。臨床美術では、五感を使いながら、作品を作るので、その感覚がよみがえってきたように思いました。
絵が苦手の私は、またもや「きんちょ~」からのスタートでしたが、最初頭でいろいろ考えてしまいましたが、途中で集中でき楽しくなりました。
五感を使って色をイメージ。パッと色が浮かんでくるのが楽しかったです。
どんどん色を重ねていき、最後は深みのあるザクロになりました。

About|この記事を書いた人

浜端望美(はまばたのぞみ) 心理カウンセラー 3色パステルアート主宰一般社団法人日本心理療法協会 事務局長ベスリクリニックこころ外来 勤務JAPAN MENSA会員   1986年生まれ。神奈川県横浜市出身。大学卒業後、広告業界に就職。印刷やデザインに携わる仕事をしながら、本格的にカウンセリングを学びはじめる。 2011年心理カウンセラーの資格を取得し転職。椎名ストレスケア研究所(株)に勤務し心理カウンセラー・講師としての経験を積む。その後、心療内科デイケア勤務や研修講師などの経験を経て独立。現役の心理カウンセラーでありながら、優秀なアートセラピストの育成、アートセラピーの普及活動に尽力している。 日本ではまだなじみの浅いアートセラピーを、メンタルケアの現場に積極的に取り入れ、そこから得たノウハウを体系化。『癒し』『デトックス』などという、漠然とした言葉で語られがちなアートセラピーの領域を、論理的に、かつ分かりやすく解説する。論理と感情がバランス良く組みたてられた独自のカリキュラムは、アートセラピストだけでなく、心理カウンセラー、コーチ、看護師、教員、療育担当者、デザイナー、経営者など幅広い層に定評がある。NEXT MORE >>>