ブランディングと信頼②〜私がアートセラピーをお仕事にするまで(2017年後半)

ブランディングと信頼②〜私がアートセラピーをお仕事にするまで(2017年後半)

「どうやったらアートセラピーを仕事にできるの?」

一般的な会社員と違って、大々的に求人があるわけではないアートセラピストのお仕事。
『アートセラピーの教科書』をご覧になっている方には、どうやったらアートセラピストになれるのか知りたい人も多いのではないでしょうか。

私自身がアートセラピストになるまでの道のりを書いています。今回はその第六弾。
かかった費用等も公開していますので、これからアートセラピーのお仕事をしようとしている方はぜひ参考にしてくださいね。

前回の記事では、自分が行なっているアートセラピーと、それ以外との違いを明確にしてブランド力を高めることについて書きました。(ブランディングと信頼①〜私がアートセラピーをお仕事にするまで(2017年前半))

今回はそのブランド力をさらに強めるためのお話です。
自分の場合に置き換えて読み進めてください。

お医者さんばかりが集まる神経科学学会へ参加

2017年11月、私は宮古島で行われた「神経科学カンファレンス」へ参加しました。

そこで、3色パステルアートの有効性についての発表が行われたのです。テーマは、『発達障害当事者支援としてのアートワークの生理学的・心理学的有効性』

3色パステルアートを実施する前後で、参加者にどのような影響があるかを2017年3月から半年にわたって効果測定。その数値が非常に良いものだったため、有効性が認められ学会発表の機会をいただきました。

学会の参加者はお医者さんをはじめ、大学所属の研究者や教育関係者ばかり。私は資格もないし、どこにも所属していません。

それなのに、なぜ学会に参加することができたのか?
その理由は大きく3つあります。

1、自分のブランド価値、差別化ポイントを明確にした

私のアートセラピーは、心理分析やリラクゼーションのために行うものではありません。ブログやSNSでも、「分析」「癒し」などの言葉は使わないように心がけています。

2、アンテナを立てて情報収集をした

情報過多の現代。すべての情報に目を通していてはどれだけ時間があっても足りません。
私の場合は「心理学」「脳科学」「医療」「アートセラピー」というキーワードに絞って情報収集をしています。

今回調査を行うきっかけとなったのは、キーワードに沿った本を読んでいたことと、SNSの投稿でした。自分にぴったりのアンテナを立てておくことで、必要な情報だけを上手に取捨選択することができるようになります。

3、待っているのではなく行動した

自分の活動をサイトやSNSにアップし続けてアピールしていれば、誰か気づいてくれるかもしれません。実際にそういうことは多いですが、『待ち』の状態では自分のタイミングで進めることはできません。
自分の人生なので、自分のタイミングで一歩を踏み出しましょう。

今回の神経学会での発表は、千葉市内にあるA施設の全面的な協力を得て実現しました。とはいえ、もともとA施設と関わりがあったわけではありません。

ある日施設を運営している小児科医の先生の活動の様子が、知人のfacebookを通じて流れてきたのです。
内容は、知人がその先生の講座に参加してきた、というものでした。そしてそこには私が以前からアンテナを立てて「使ってみたい!」と目をつけていた自律神経の測定器が…。

早速私もその講座に参加。
小児科医の先生と名刺交換をして、その日のうちにメールを送りました。

「3色パステルアートというアートセラピーをしているて、研究をしたい。ご協力いただくことはできますか」と。

この時点では協力してもらえると思っていませんでした。「万が一相手にしてもらえたらラッキー」というくらいの感覚です。

返事がこない可能性の方が大きいと思っていました。
それが、たまたま先生の研究で、塗り絵やパズルなどのアートワークを行っていたので興味をもってもらえたのです。

学会発表はおまけのようなもの。
もともとは自分のサイト内に結果が公表できれば良いという程度のものでした。けれど、共同研究で予想以上に良い結果が得られたため、学会発表の機会をいただけたのです。

誰が見てもわかるように自分の旗をしっかり立てる

自分のブランドを決めたなら、ブレずにその旗を振り続けましょう。

・誰のためにはじめたのか
・何を目的としているのか
・どのような雰囲気なのか
・体験するとどのようなメリットがあるのか

これを明確にして、「〇〇といえば、〇〇さん。」と周りにしっかり認識してもらえるまで、コツコツ経験を積み上げる必要があります。

綺麗なウェブサイトや写真はお金を出せば手に入りますが、経験や実績はコツコツ努力を積み重ねた人しか手に入れることができません。

そして、誰から見ても分かるような旗を立てている人は、その専門性がわかりやすいので、経験を積むチャンスも巡ってきやすくなります。

反対に、自分のブランドと全く関係ないことばかりしていると、信頼を損なうので気をつけましょう。

ケンタッキーが、突然チキンではなく和牛を売り始めたら、なんだか芯が無い会社だなぁとイメージダウンしてしまいませんか?

会社も人間も同じことです。
自分はなんの専門家なのか?それを明確にすることがとても肝心です。

この頃のアートセラピーのお仕事のスタイル

これまでの活動と変わらずコツコツやり続けた時期です。前述した通り、継続はいちばんの信頼に繋がります。
・定期的にワークショップを開催
・様々な施設に訪問してアートセラピーを実施(有料・無料共に)
・雑誌の表紙絵を担当
などを続けていました。

唯一の変化は出張が増えたこと。
全国どこを探しても、私のブランド価値は私にしか無いので、誰も真似ができません。そのため2017年は日本各地からの出張が急増しました。

札幌・青森・東京・神奈川・千葉・茨城・京都・大阪・沖縄、、、仕事で全国を飛び回りました。
出張ついでに旅行も楽しみ、新しい出会いも多く充実した時間です。

この期間にかかった費用

・サイトドメイン利用料…699円/年
・レンタルサーバー利用料…500円/月
・材料費…500円/人
・会場費(主に新宿)…3000円/時
・コンサルティング…4,600円/月

この頃の収入のメインもやはり定期開催のワークショップ。それに加えて個別のセッションや絵の原稿料などです。30~40代男性会社員の平均収入の2倍くらい。気になる方は調べてみてください。

編集後記

「自信が無いから行動できないんです。」というご相談をよく受けます。

自信と行動って鶏と卵で、行動するから自信がつくのだと思います。
何も行動していないのに自信がつくのなら…。それって想像すると少し怖いですよね。その自信はただの妄想かもしれません。

誰もが「根拠のない自信」を持てれば良いのかもしれませんが、ほとんどの人にとってそんなものはありません。

私の場合も、「これだけやってきたんだ」と自分の歩いてきた道のりを振り返ることで、自信に変えています。
毎日サボっていたら自分に自信が持てず、学会発表の話も断っていたと思います。

チャンスが巡ってくるのは一瞬。
そのタイミングもいつか分かりません。

いつか来るその時のために、コツコツ真面目に続けることがいちばん大切だなと感じます。

 

About|この記事を書いた人

浜端望美(はまばたのぞみ) 心理カウンセラー 3色パステルアート主宰一般社団法人日本心理療法協会 事務局長ベスリクリニックこころ外来 勤務JAPAN MENSA会員   1986年生まれ。神奈川県横浜市出身。大学卒業後、広告業界に就職。印刷やデザインに携わる仕事をしながら、本格的にカウンセリングを学びはじめる。 2011年心理カウンセラーの資格を取得し転職。椎名ストレスケア研究所(株)に勤務し心理カウンセラー・講師としての経験を積む。その後、心療内科デイケア勤務や研修講師などの経験を経て独立。現役の心理カウンセラーでありながら、優秀なアートセラピストの育成、アートセラピーの普及活動に尽力している。 日本ではまだなじみの浅いアートセラピーを、メンタルケアの現場に積極的に取り入れ、そこから得たノウハウを体系化。『癒し』『デトックス』などという、漠然とした言葉で語られがちなアートセラピーの領域を、論理的に、かつ分かりやすく解説する。論理と感情がバランス良く組みたてられた独自のカリキュラムは、アートセラピストだけでなく、心理カウンセラー、コーチ、看護師、教員、療育担当者、デザイナー、経営者など幅広い層に定評がある。NEXT MORE >>>