風景構成法とは
風景構成法は、1969年に精神科医の中井久夫氏によって考案されたアートセラピー(芸術療法)のひとつです。
11のアイテムを画用紙に描き込み、セラピストがそれを分析したり、絵を元にそれを象徴するイメージを聞き出したりします。(詳細な手順は下段参照)
考案時は主に統合失調症の患者の現況を非言語的に把握するために用いられていました。
風景構成法における分析は「箱庭療法に準ずる」とされています。風景構成法はその前進となる箱庭療法をより簡易的に実施できるように工夫されたものとも言えます。
完成した作品をもとにセラピストとクライアントが対話をすることで、今まで見えていなかった自分自身の特徴や葛藤に気づいたり、絵をきっかけとして悩みが言語化されます。
それぞれのアイテムには問題の象徴が隠されていると定義され、それをセラピストが聴き出し見立てることに役立てます。
また、セラピストの指導の下で絵の書き換えを行うこともあります。
絵の気になる一部分を描き変えることで、無意識的な心象イメージが変わり、実際のこころの状態にも変化が起きることが期待されています。
箱庭療法と同じく、新たな心理療法の発達や、社会の多様性によって絵を分析すること自体に疑問の声が挙がることが多くなりました。
その結果、風景構成法を取り入れている病院や施設はほとんどありません。ワークショップの一環やレクリエーションとして楽しまれる場面が増えている手法です。
風景構成法の進め方
1)道具を用意する
アートセラピストがクライアントの前で画用紙の四方をサインペンで枠取りします。
そして、その画用紙とサインペンをクライアントに手渡します。
2)アイテムを描き入れる
アートセラピストが11のアイテムを伝え、画用紙に好きなように描いてもらいます。
『川→山→田→道→家→木→人→花→動物→石(岩)→足りないと感じるアイテム』
3)着色
アイテムが描き終わったらクレヨンで着色をして完成です。
解釈
※以下の解釈は一部です。個人でお楽しみください。
※専門家ではない人が絵に解釈をつけて伝える事は危険です。
1)まずは全体の構成や色、絵全体から受ける印象をみます。
2)個々のアイテムについて見ていきます。