コラージュ療法とは
コーラージュとは、フランス語で「糊付け」を意味し、現代絵画の技法のひとつです。
色や素材感がバラバラのもの(新聞紙、布、壁紙など)を組み合わせるもので、ピカソも取り入れていた技法です。
アートセラピーとしては、1970年代にアメリカで導入されたことが起源といわれています。(*諸説あります)
「なりたい自分」や「気になったもの」をテーマに、目の前に置かれた雑誌やパンフレット等の素材の中から、好きな写真またはキーワードを切り抜き台紙の上に貼っていきます。
「なりたい自分」などポジティブな未来をテーマとしてコラージュを完成させることは、将来の時分像をより明確にイメージし、行動に移すモチベーションを高めることに役立ちます。
また、「気になったもの」をテーマにした場合は、カウンセラーとともに、「なぜその写真を選んだのか?」というところから、自己理解を深めることにも使われます。
メンタルケアとして実施される場合、コラージュ療法単独で治療を行うケースはごく稀で、精神科デイケアのプログラムの一環として広く取り入れられています。
近年では、「未来地図」や「なりたい自分」などのポジティブなテーマでコラージュ療法を行い、自己啓発に役立てるなど、一般的なワークショップとして取り入れられることの多いアートセラピーです。
絵を描いたり、楽器を使ったりするアートセラピーとは異なり、写真を切って貼るだけという手軽な手法は、子どもから高齢者まで気軽に取組むことができるため、対象者は非常に幅広くなります。
日本コラージュ療法学会の公式サイト
http://www.kinjo-u.ac.jp/collage/index.html
“コラージュ療法は日本において偶然の機会に見いだされ,独自の起源と発展をたどってきた。日本では箱庭療法が直接のモデルになっている。箱庭療法は1965年,河合隼雄先生によって,スイスから日本に伝えられ,その巧みな指導のおかげで大きく発展してきた。しかし,この方法はかなり大がかりな設備を必要とする。箱庭の設備のない環境においても,箱庭技法に匹敵するような有効性を持ち,かつ簡便な方法が求められていた。”