自分の見ている色は他人とは違う

あの人と自分では、色の見え方が違うのかもしれない…。そんなふうに思ったことはありませんか?

光(色)は目に入ってくると、水晶体や角膜を通って網膜に到達し、脳の視覚野に送られます。

水晶体はカメラでいうところのレンズの役割を果たす器官です。この水晶体も肌などと同じように20歳前後から徐々に老化が始まります。水晶体の老化は”黄変化”と呼ばれ、レンズが徐々に濁ってくるという現象がおこります。

黄変化が進むと、青系の色は黒っぽく、黄色系の色は白っぽく見えるようになります。赤系の色には大きな変化はありません。

個人差はありますが、50代頃から色の見え方が変化したことに気づく人が多いようです。今まで紺と黒の洋服の見分けがついていたのに、明るい場所でじっくり見ないと分からないということが起こります。

高齢者を対象とした現場でも、「もっと色を濃くしたい!」とおっしゃってかなり濃い色合いに仕上げる方を見かけます。

ご自分の作品ですから、人によく見られることよりも、自分自身が満足のいく作品を目指すことを大切にしていますが、その色合いに驚いたご家族から、「どうしてうちの人はもっと穏やかな色で描けないのでしょうか?」と心配されたことがあります。

私が見ている色は他人とは違うのです。

同じ絵であっても、家族であっても、全く同じに見えているわけではないのです。

周りの人からみた良い色よりも、自分が好きと思える作品が描けると良いですね。

About|この記事を書いた人

浜端望美(はまばたのぞみ) 心理カウンセラー 3色パステルアート主宰一般社団法人日本心理療法協会 事務局長ベスリクリニックこころ外来 勤務JAPAN MENSA会員   1986年生まれ。神奈川県横浜市出身。大学卒業後、広告業界に就職。印刷やデザインに携わる仕事をしながら、本格的にカウンセリングを学びはじめる。 2011年心理カウンセラーの資格を取得し転職。椎名ストレスケア研究所(株)に勤務し心理カウンセラー・講師としての経験を積む。その後、心療内科デイケア勤務や研修講師などの経験を経て独立。現役の心理カウンセラーでありながら、優秀なアートセラピストの育成、アートセラピーの普及活動に尽力している。 日本ではまだなじみの浅いアートセラピーを、メンタルケアの現場に積極的に取り入れ、そこから得たノウハウを体系化。『癒し』『デトックス』などという、漠然とした言葉で語られがちなアートセラピーの領域を、論理的に、かつ分かりやすく解説する。論理と感情がバランス良く組みたてられた独自のカリキュラムは、アートセラピストだけでなく、心理カウンセラー、コーチ、看護師、教員、療育担当者、デザイナー、経営者など幅広い層に定評がある。NEXT MORE >>>