アートセラピーのワークショップに参加者がひとりしか集まらなかったら…

アートセラピーのワークショップに参加者がひとりしか集まらなかったら…

ワークショップやグループセラピーなどで、もし参加者が1人だったら…あなたならどうするでしょうか。

アートセラピストとして活動をはじめたばかりの人は、実績もネームバリューもありません。
アートセラピーのワークショップを開催すればたくさんの人が参加してくれる、というわけではないのです。
参加者してくださる方との信頼関係をコツコツと積み上げていく必要があります。

キャンセルが続いたら・・・
人が集まっていた場合も、当日までにいろいろな事情でキャンセルが重なり、参加者が1人となってしまう可能性もあります。

あなたがアートセラピーで用いているコンテンツにによっては、1人では絶対に実施できないカリキュラムもあるかもしれませんね。

このような場合は、最小履行人数をあらかじめ明記して告知すべきです。
「○日前までに最小履行人数に満たない場合は、開催を延期いたします。」と注意書きを添えましょう。

アートセラピーを主催するからには、「キャンセルはつきものだ」と心得ておいた方が良いでしょう。

私もはじめたての頃は、
「急用ができたのでキャンセルします。」
「重要な予定が入ってしまったのでキャンセルします。」
などという連絡が入るたびに、「私との約束は重要なものではないのか…。」などと余計な事を考えて落ち込んでしまうこともありました。

けれど、突然のキャンセルに文句を言っても良い事は1つもありません。
キャンセルの連絡にも、「連絡をありがとうございます。またの機会にぜひお越しください」と丁寧に対応しましょう。

キャンセルした側の人にとっても、キャンセルは気まずいもの。
次回以降の参加に足が重くなってしまうかもしれません。相手の方が必要以上に申し訳なさを感じないようなさらっとした対応がベストです。

今目の前にいる人を大切にする
キャンセル対応を終えたら、そのことは忘れて、せっかく来てくれる人のためにあなたの時間を使うことを考えましょう。

『今目の前にいる人に集中して大切にする』ということは、当たり前のようで、日頃から心がけていないとなかなか難しいものでもあります。

私の場合は、パステルアートを用いたアートセラピー(3色パステルアート)を行っています。
人数が少ないと、鑑賞会を行うさいに「参考になるものが少なくて申し訳ないな」という気持ちになることがあります。

けれど参加者の方の反応を見てみると、「少人数で先生を独占できてすごく良かった!」と言ってくださる方もいるのです。

少人数だからこそできることがあるはずです。
せっかく来てくれた人と、関係性をより深めるきっかけになると、ポジティブに捉えてみてはいかがでしょうか。

「ワークショップに人が集まらなかった」という事態は、アートセラピーに限らず、ヨガの先生や講師業など、人に何かを伝えるお仕事をしている人にとって共通の悩みでもあります。
みんな一度は体験していることです。

「自分だけ…。」と思ってしまうと、落ち込んでしまうかもしれませんね。
アートセラピストの仕事はひとりで頑張らない」にも書きましたが、他のアートセラピストとの繋がりも大切にしましょう。
頭ではなく体感として、自分だけがぶつかる壁ではない、ということが分かります。

About|この記事を書いた人

浜端望美(はまばたのぞみ) 心理カウンセラー 3色パステルアート主宰一般社団法人日本心理療法協会 事務局長ベスリクリニックこころ外来 勤務JAPAN MENSA会員   1986年生まれ。神奈川県横浜市出身。大学卒業後、広告業界に就職。印刷やデザインに携わる仕事をしながら、本格的にカウンセリングを学びはじめる。 2011年心理カウンセラーの資格を取得し転職。椎名ストレスケア研究所(株)に勤務し心理カウンセラー・講師としての経験を積む。その後、心療内科デイケア勤務や研修講師などの経験を経て独立。現役の心理カウンセラーでありながら、優秀なアートセラピストの育成、アートセラピーの普及活動に尽力している。 日本ではまだなじみの浅いアートセラピーを、メンタルケアの現場に積極的に取り入れ、そこから得たノウハウを体系化。『癒し』『デトックス』などという、漠然とした言葉で語られがちなアートセラピーの領域を、論理的に、かつ分かりやすく解説する。論理と感情がバランス良く組みたてられた独自のカリキュラムは、アートセラピストだけでなく、心理カウンセラー、コーチ、看護師、教員、療育担当者、デザイナー、経営者など幅広い層に定評がある。NEXT MORE >>>