他の人との比較で自分がわかる

他の人との比較で自分がわかる

人間は社会性のある生き物です。
鳥のように空を飛んだり、ヒョウのように速く走ったりすることはできないので、人間は協力し合って、社会性を築くことで生き延びてきました。

「他の人と自分を比べてしまって辛い」という人によく出会いますが、人はひとりでは生きていけないし、他者との比較でしか自分をしることはできません。

『比較』と『評価』は違う

他の人と自分を比べてしまって苦しくなるとき、多くの人は『比較』ではなく、『評価』をしています。

あの人は〇〇できるけれど、自分はできない。
普通は〇〇なのに、自分はそれより劣っている。

これは、比較ではなく評価です。

比較とはただ単純に「比べること」です。
そこに評価は入りません。

比較することで、自分と他の人の違いを知り、そこにそれぞれ固有の個性が見出されます。
「自分を知るとは?」では、ひとりで何かに没頭して自己表現することについて書きました。次のステップはそれを他の人と比較してみることです。

アートセラピーでは、良い悪いではなく、特徴や違いに注目してみています。
違いが無ければ、人間の社会性は成り立ちません。
全て違う形をしているおかげでそれぞれの役割があり、様々な状況に対応できるのです。
この違いを最大限に活かして協力し合うことが、人間が生き延びるための社会性です。

「自然界は弱肉強食」と言いますが、本当にそうだったら
強いライオンだけが生き残って、弱い人間は今頃絶滅しているでしょう。
ところが実際は、ライオンの数はどんどん減り、人間は増えています。

凹凸の字のように、形が違うものがたくさんあることが大切。
それが人のおもしろさでもあります。

アートセラピーのグループセッションを通して、人と自分との違いを楽しんでみませんか?
本当にたくさんの個性に出会えますよ。

About|この記事を書いた人

浜端望美(はまばたのぞみ) 心理カウンセラー 3色パステルアート主宰一般社団法人日本心理療法協会 事務局長ベスリクリニックこころ外来 勤務JAPAN MENSA会員   1986年生まれ。神奈川県横浜市出身。大学卒業後、広告業界に就職。印刷やデザインに携わる仕事をしながら、本格的にカウンセリングを学びはじめる。 2011年心理カウンセラーの資格を取得し転職。椎名ストレスケア研究所(株)に勤務し心理カウンセラー・講師としての経験を積む。その後、心療内科デイケア勤務や研修講師などの経験を経て独立。現役の心理カウンセラーでありながら、優秀なアートセラピストの育成、アートセラピーの普及活動に尽力している。 日本ではまだなじみの浅いアートセラピーを、メンタルケアの現場に積極的に取り入れ、そこから得たノウハウを体系化。『癒し』『デトックス』などという、漠然とした言葉で語られがちなアートセラピーの領域を、論理的に、かつ分かりやすく解説する。論理と感情がバランス良く組みたてられた独自のカリキュラムは、アートセラピストだけでなく、心理カウンセラー、コーチ、看護師、教員、療育担当者、デザイナー、経営者など幅広い層に定評がある。NEXT MORE >>>