アートセラピーにおいて必要なストレスとは
ストレスには良いストレスと、悪いストレスがあります。
『ストレス』と聞くと悪いものだと捉えがちですが、毎日の生活において必要なストレスもあります。
ストレスを全て取り除けば良いというものではありません。
たとえば、温泉やマッサージ。
いわゆる『癒し』と呼ばれるこれらのものは、ストレスとは真逆の世界です。
では、毎日毎日癒され続けていたら・・・
実は『癒し』には『飽き』がセットになっているのです。
もし、高齢者施設であまりに簡単なレクリエーションをやらされたら、どのような気持ちになるでしょうか。
「バカにされている。」と感じる人もいるでしょうし、
「失敗がないのは良いけれど、つまらないな。」と思う人も多いはずです。
これは高齢者だけでなく、子どもでも、大人でも同じです。
ストレスが無い生活とは、毎日に張り合いがなく退屈な世界でもあるのです。
質の良いストレスとは?
では、ストレスがあれば良いのか、というと、そこまで単純なものでもありません。
ストレスには質の良いものと悪いものがあります。
ストレスとセットになる感情の組み合わせがポイントです。
ストレス+悲しいは、疲労感や無気力感を生みます。これが質の悪いストレスです。
一方で、
ストレス+楽しいは、意欲や好奇心を生みます。これこそが質の良いストレスと言えます。
アートの力で質の良いストレスを手に入れる
アート(芸術)とはおもしろいもので、プロであっても、どこまで極めても、完全に満足のいく作品を生み出すことは非常に困難です。
ほぼ不可能ともいえるのではないでしょうか。
アートを仕事にしていて、徹底的に極めなければいけない、という状況であればこれは強いプレッシャーになりますが、アートセラピーで目指していることはプロになることではありません。
アートセラピーでは時間内に作品の(本人にとっての)完成を目指します。
アートの領域なので前述したとおり、完璧と思える仕上がりではないかもしれません。
しかし、アートセラピストの指導が入るので、ある程度満足のいくものが仕上がります。
作品ができあがった喜び+完璧には出来なかったストレス。
この組み合わせが、質の良いストレスとなり次への意欲につながります。
アートセラピーに挑戦する目的は、ストレス解消や、自己探究や、リハビリなど受ける人によって様々ですが、
「毎日に張りが欲しい」「充実感・達成感を味わいたい」「最近意欲が低下している」という人は、自己表現を目的としているアートセラピーに参加してみましょう。