「感受性が豊か=傷つきやすい」は嘘。本当の感受性の豊かさとは。

「感受性が豊か=傷つきやすい」は嘘。本当の感受性の豊かさとは。

アートセラピーをしていると、
「感受性が豊かだから傷つきやすくて辛い」と言う人によく出会います。

そういう人は「ふつうの人が気にも止めないような、他人のささやかな言動にも気がついてしまう」から、感受性が豊かで辛い、と言いますが、それは大きな誤解です。

本当の感受性とは?

『感受性』と辞書で調べると「物事を心に深く感じ取る働きのこと」と書いてあります。

前述した、「ふつうの人が気にも止めないような、他人のささやかな言動にも気がついてしまうので傷つきやすい」というのも、感受性の豊かさのひとつでしょう。

しかし、「ふつうの人が気にも止めないような、他人のささやかな言動にも気がつくので、いつも感謝の気持ちでいっぱいだ」というのも感受性の豊かさです。

どのような情報を拾うのか?バランスの問題

「他人のささやかな言動にも気がついてしまうので傷つきやすい」人は、自分を傷つけるもの、への感受性は豊かかもしれません。

一方で、感謝すべきもの、美しいもの、人の優しさ、などへの感受性は低いのです。

これは、感性の偏り、クセとも言えます。

感受性の間違った使い方は被害者意識を拡大させる

「私はあなたの発言に傷つきました」
「あなたの行動に不信感を覚えました」

このようなところにばかり自分の感受性を伸ばしている人が、身近にいたらどうでしょう。
何をしても加害者にされそうで近づきたくない、と思う人が多いのではないでしょうか。

感受性を自分が『被害者』になるための武器にしてはいけません。
『被害者』には、「私はかわいそう」と主張する権利があります。
『加害者』には、主張する権利がありません。
この点では加害者より被害者のほうが有利なのです。

弱っているとき、人は無意識に被害者になりたがります。
それは「みんな私に気を使って優しくすべき」という位置になれるからです。

もちろんこれは思考の癖なので、意識してわざとやっている人はほとんどいないでしょう。
被害者意識の強い人は、自分でも気づかないうちに周りから遠ざけられる言動をしているのです。

正しく感受性をのばす

感受性の偏りやクセをなおしたい、あるいは自分の感情が分からない、という人には、感情を表現するタイプのアートセラピーがおすすめです。

たとえば「優しさ」を描くとしたらどのような絵になるでしょうか。
何色で、どのような質感で描いたらぴったりな感じがしますか?

音楽が得意な人は音で表現しても良いでしょう。
香りが好きな人がいれば、粘土などの造形を好む人もいます。

様々なアートの力を借りて、物事を心に深く感じ取る働き=感受性を育てましょう。
きっと今より毎日が豊かになりますよ。

About|この記事を書いた人

浜端望美(はまばたのぞみ) 心理カウンセラー 3色パステルアート主宰一般社団法人日本心理療法協会 事務局長ベスリクリニックこころ外来 勤務JAPAN MENSA会員   1986年生まれ。神奈川県横浜市出身。大学卒業後、広告業界に就職。印刷やデザインに携わる仕事をしながら、本格的にカウンセリングを学びはじめる。 2011年心理カウンセラーの資格を取得し転職。椎名ストレスケア研究所(株)に勤務し心理カウンセラー・講師としての経験を積む。その後、心療内科デイケア勤務や研修講師などの経験を経て独立。現役の心理カウンセラーでありながら、優秀なアートセラピストの育成、アートセラピーの普及活動に尽力している。 日本ではまだなじみの浅いアートセラピーを、メンタルケアの現場に積極的に取り入れ、そこから得たノウハウを体系化。『癒し』『デトックス』などという、漠然とした言葉で語られがちなアートセラピーの領域を、論理的に、かつ分かりやすく解説する。論理と感情がバランス良く組みたてられた独自のカリキュラムは、アートセラピストだけでなく、心理カウンセラー、コーチ、看護師、教員、療育担当者、デザイナー、経営者など幅広い層に定評がある。NEXT MORE >>>