『選ぶ』という行為が脳に与える刺激
人は1日に何度も『選ぶ』という行為をしています。
朝起きてから外出するまでの短い時間の中でも、実に多くの選択をしています。
起きる時間を選ぶ、朝食のメニューを選ぶ、着る服を選ぶ、、、
普段は何気なく行なっている選択も、
疲れが溜まっていたり、ストレスを抱えている状態では、大きな負荷がかかります。
うつ病や認知症を発症している人にとってはなおさらです。
一方で、『選ぶ』という行為は、その人の意思を尊重し、好奇心や意欲を湧き立たせる大切なものでもあります。
選択肢の数とモチベーションの関係性
選択権が全く与えられない環境にいると、思考が停止し、やる気が出なくなってきます。
図
上の図は、ネズミの実験で情報量と反応を模式化したものです。
図から見てとれるように、情報量が少なすぎると退屈して眠ってしまいます(=無気力状態)。
反対に情報量が多すぎると、今度は閉鎖的になり、最終的にはパニック状態に陥ります。情報処理能力が追いつかず脳が混乱するのです。
選択肢の数は対象者に合わせて調整
アートセラピーの現場においても、様々な『選択』の場面が訪れます。
色を選ぶ、香りを選ぶ、、、
対象者に合わせて選択肢を絞ったり、増やしたりすることで、『興味を持つ』(=好奇心、意欲が湧く)の状態を目指しましょう。
次回は情報量の調整方法について解説していきます。