『選ぶ』という行為が脳に与える刺激

『選ぶ』という行為が脳に与える刺激

人は1日に何度も『選ぶ』という行為をしています。

朝起きてから外出するまでの短い時間の中でも、実に多くの選択をしています。
起きる時間を選ぶ、朝食のメニューを選ぶ、着る服を選ぶ、、、

普段は何気なく行なっている選択も、
疲れが溜まっていたり、ストレスを抱えている状態では、大きな負荷がかかります。

うつ病や認知症を発症している人にとってはなおさらです。

一方で、『選ぶ』という行為は、その人の意思を尊重し、好奇心や意欲を湧き立たせる大切なものでもあります。

選択肢の数とモチベーションの関係性

選択権が全く与えられない環境にいると、思考が停止し、やる気が出なくなってきます。

上の図は、ネズミの実験で情報量と反応を模式化したものです。

図から見てとれるように、情報量が少なすぎると退屈して眠ってしまいます(=無気力状態)。

反対に情報量が多すぎると、今度は閉鎖的になり、最終的にはパニック状態に陥ります。情報処理能力が追いつかず脳が混乱するのです。

選択肢の数は対象者に合わせて調整

アートセラピーの現場においても、様々な『選択』の場面が訪れます。

色を選ぶ、香りを選ぶ、、、

対象者に合わせて選択肢を絞ったり、増やしたりすることで、『興味を持つ』(=好奇心、意欲が湧く)の状態を目指しましょう。

次回は情報量の調整方法について解説していきます。

About|この記事を書いた人

浜端望美(はまばたのぞみ) 心理カウンセラー 3色パステルアート主宰一般社団法人日本心理療法協会 事務局長ベスリクリニックこころ外来 勤務JAPAN MENSA会員   1986年生まれ。神奈川県横浜市出身。大学卒業後、広告業界に就職。印刷やデザインに携わる仕事をしながら、本格的にカウンセリングを学びはじめる。 2011年心理カウンセラーの資格を取得し転職。椎名ストレスケア研究所(株)に勤務し心理カウンセラー・講師としての経験を積む。その後、心療内科デイケア勤務や研修講師などの経験を経て独立。現役の心理カウンセラーでありながら、優秀なアートセラピストの育成、アートセラピーの普及活動に尽力している。 日本ではまだなじみの浅いアートセラピーを、メンタルケアの現場に積極的に取り入れ、そこから得たノウハウを体系化。『癒し』『デトックス』などという、漠然とした言葉で語られがちなアートセラピーの領域を、論理的に、かつ分かりやすく解説する。論理と感情がバランス良く組みたてられた独自のカリキュラムは、アートセラピストだけでなく、心理カウンセラー、コーチ、看護師、教員、療育担当者、デザイナー、経営者など幅広い層に定評がある。NEXT MORE >>>