右脳派・左脳派はウソ!?

右脳派・左脳派はウソ!?

「アートセラピーの教科書」では、専門的で難しい知識を、中学生でも分かるように解説して提供するよう心がけています。
枝葉末節にはこだわらずお伝えしている部分もあります。そのため、専門分野に精通している人にとっては、拡大解釈と感じられることがあるかもしれませんが、ご了承ください。

脳科学や心理学の分野は、まだまだ発展途上です。今後も研究が続けられ、新しい発見が期待されています。
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右脳派・左脳派はウソ!?

よく「右脳派・左脳派」という言葉を耳にします。
私自身もよく使っている言葉です。

右脳派の人はクリエイティブで、左脳派の人はロジカル。
例えばこんな俗説があります。

しかし最近の知見では、何をするときにも、両側の脳をほぼ均等に使っている、ということが分かってきています。
では、なぜ右脳派・左脳派という言葉が生まれたのでしょうか?

言語を司る、ウェルニッケ野とブローカー野という部位があります。
右利きの人のほとんどと、左利き人の40%程度の人が、ウェルニッケ野とブローカー野を左脳に持っています。このことから、左脳派=ロジカル(論理的)という俗説が誕生したのでしょう。

また、空間認知機能の一部は確かに右脳の方が優位に働いています。空間認知力が高い人は、見たままにデッサンすることに長けているので、右脳派=クリエイティブと解釈されたようです。

なぜ右脳派・左脳派という言葉を使い続けるのか

右脳派・左脳派という俗説は一般的に広がっています。
誰もが一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

●幼児期の教育
●認知症予防
これらの現場で「右脳を鍛えると良い」と認識している人が多いように感じています。

鍛えるためにしていること(歌や絵や体操など)は、間違っていません。
そのため、右脳派・左脳派という言葉を信じてトレーニングしている人に、
「それは右脳ではなくて、脳の〇〇という部位を使っていてね…」と正論をぶつけるのはナンセンス。

一般の人に理解しやすくするために。
モチベーションアップに繋がるから。
などという理由から右脳派・左脳派という言葉を、便宜上使い続けているアートセラピストも多いのです。

脳科学について調べはじめるときりがありません。

自分にとって何が必要か。
楽しむことなのか、人との繋がりを持つことなのか、脳に詳しくなることなのか…
情報におどらされず、必要なことだけ取捨選択できると良いですね。

About|この記事を書いた人

浜端望美(はまばたのぞみ) 心理カウンセラー 3色パステルアート主宰一般社団法人日本心理療法協会 事務局長ベスリクリニックこころ外来 勤務JAPAN MENSA会員   1986年生まれ。神奈川県横浜市出身。大学卒業後、広告業界に就職。印刷やデザインに携わる仕事をしながら、本格的にカウンセリングを学びはじめる。 2011年心理カウンセラーの資格を取得し転職。椎名ストレスケア研究所(株)に勤務し心理カウンセラー・講師としての経験を積む。その後、心療内科デイケア勤務や研修講師などの経験を経て独立。現役の心理カウンセラーでありながら、優秀なアートセラピストの育成、アートセラピーの普及活動に尽力している。 日本ではまだなじみの浅いアートセラピーを、メンタルケアの現場に積極的に取り入れ、そこから得たノウハウを体系化。『癒し』『デトックス』などという、漠然とした言葉で語られがちなアートセラピーの領域を、論理的に、かつ分かりやすく解説する。論理と感情がバランス良く組みたてられた独自のカリキュラムは、アートセラピストだけでなく、心理カウンセラー、コーチ、看護師、教員、療育担当者、デザイナー、経営者など幅広い層に定評がある。NEXT MORE >>>