なぜ今コミュニティが注目されているのか

なぜ今コミュニティが注目されているのか

様々なコミュニティ運営が近年注目をあつめ、関連本が出版されたり、テレビなどで目にする機会が増えてきました。

下の動画は、毎年大規模な世界的講演会を主催している「TED」での有名なプレゼンテーションです。医療・教育・福祉に携わっている人は、見たことがある人も多いのではないでしょうか。


出典:TED ジョン・ハリ「依存症〜間違いだらけの常識」
www.chasingthescream.com

依存の原因は薬ではなく繋がりの乏しさ

プレゼンテーションの中でジョハン・ハリは、あるネズミの実験を紹介しています。

檻に一匹で飼われていたネズミに薬物を与えたところ、ネズミは薬物依存になりました。

また別の檻には、ネズミを何匹も飼いおもちゃを与え、先程の檻のネズミと同じように薬物も与えました。こちらの檻のネズミたちは、薬物依存にはならなかったのです。

この実験の結果から、薬物依存の原因は薬ではなく孤立であることが示唆されています。

ジョン・ハリは薬物依存について語っていますが、
あらゆる依存をはじめとする心の問題は、同じ原理で発生しています。

食べ物への依存、買い物依存、人への依存。
その根本にあるものは『孤立』です。

肩書きをはずし何者でもない自分でいられる時間

家族がいても、友人がいても孤立は起こります。
『自分はここにいても良い』と根拠無く思える居場所がない人は、精神的に孤立しているからです。

あなたは普段どのような肩書きを持っていますか?
あなたの提供するアートセラピーに参加してくれている人はどうでしょう。

お母さん、お父さん、娘、息子、〇〇会社の人、
患者さん、先生、生徒

人には様々な肩書きがあります。

では、人と関わるうえでどのくらいの時間を、肩書きなく『私』として過ごしていますか。

何にでも名前が付けられてしまっている現代、
何者でもない『私』として存在できる場所は意外と少ないものです。
肩書きありきの人間関係は精神的な孤立を生みます。

『「私」としてここに存在していても良い』そう感じられるコミュニティが求められています。

あなたが行なっているアートセラピーをツールに、コミュニティを作ることで、その場を提供できれば素晴らしいですね。

仲間と一緒に楽しむアートセラピーは、
先程のネズミの実験に出てくる、仲間がいておもちゃがたくさん入れられた檻と同じ効果があります。

私の場合は、誰もがフラットに繋がれる+楽しくてちょっと勉強になる、というコミュニティとして、「アートセラピーを楽しみながらきちんと学ぶ会」も開催しています。

ここは、現役のアートセラピストも、これから勉強してみたいという人も、ちょっと興味があるから体験してみたい、という人も参加OK。ぜひ一度足を運んでみてください。

 

About|この記事を書いた人

浜端望美(はまばたのぞみ) 心理カウンセラー 3色パステルアート主宰一般社団法人日本心理療法協会 事務局長ベスリクリニックこころ外来 勤務JAPAN MENSA会員   1986年生まれ。神奈川県横浜市出身。大学卒業後、広告業界に就職。印刷やデザインに携わる仕事をしながら、本格的にカウンセリングを学びはじめる。 2011年心理カウンセラーの資格を取得し転職。椎名ストレスケア研究所(株)に勤務し心理カウンセラー・講師としての経験を積む。その後、心療内科デイケア勤務や研修講師などの経験を経て独立。現役の心理カウンセラーでありながら、優秀なアートセラピストの育成、アートセラピーの普及活動に尽力している。 日本ではまだなじみの浅いアートセラピーを、メンタルケアの現場に積極的に取り入れ、そこから得たノウハウを体系化。『癒し』『デトックス』などという、漠然とした言葉で語られがちなアートセラピーの領域を、論理的に、かつ分かりやすく解説する。論理と感情がバランス良く組みたてられた独自のカリキュラムは、アートセラピストだけでなく、心理カウンセラー、コーチ、看護師、教員、療育担当者、デザイナー、経営者など幅広い層に定評がある。NEXT MORE >>>