アートセラピーとアンカーリング
タツキ先生は甘すぎる!
第1話をご覧いただけましたでしょうか?
アートセラピー監修として携わっています。
https://www.ntv.co.jp/tatsuki/
まだの方は、TVer、Hulu、Netflixでも視聴可能ですのでぜひご覧ください!
1話から早速、“アートセラピーの実際”が分かる内容となっています。
以下、ネタバレを含みます
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第1話のふりかえり
さて、1話でメインとなったのは
“心で絵を描く!繊細な絵描き少女”
中学2年生の早乙女綾香のストーリーでした。
そして、もうひとりフィーチャーされたのが、
“勇気のつるぎ!感情大爆発暴れん坊”
小学2年生の森野勇気です。
キャッチフレーズのとおり、
勇気は感情爆発タイプ。
ドラマの中では、
ゲームに負けて癇癪を起こし、友だちに消しゴムを投げつけたり、
粘土で作っていた車がうまくいかなくて机を叩き、
粘土を投げつけ、庭へ逃走したりと、
暴れん坊な姿が描かれていましたね。
勇気の葛藤
「どうしてそんなことするの?」という
保護者の台詞がありましたが、
きっと勇気本人にも分からないのでしょう…
自分自身も「どうしてこんなことしちゃうんだろう…」と
落ち込んでいるように、私には見えました。
自分でもコントロールできないほどの感情に支配されてしまうことは、
何者かに取り憑かれたような、心も体ものっとられたような、、、
本人にとっては、おそらくそんな感覚だったりします。
「どうしてそんなことするの?」
勇気も、自分自身に問いかけているかもしれません。
自分だけは自分から離れることができない。
自分の中にいる“暴れん坊”から、離れることができない。
そんな勇気の悔しさと戸惑いが、
ぎゅっと握りしめた手から伝わってくるようで
胸が押しつぶされるようでした。
タツキは、勇気が投げ出した、粘土の車のパーツを持って彼を追いかけ、
「この車、勇気みたいじゃない?」と問いかけます。
粘土の車をうまくコントロールできるように、
ゆっくり発進させたり、
スピードを出して走らせたり、
停車させたり、、、、
一緒に楽しみながら、コントロール感を体感していきます。
そして最後に、
「もし、何か我慢できなくなったらこいつのこと考えてみて」と、
2人で約束しました。
アンカーリングとアートセラピー
刺激A(粘土で作った車を思い出す)をすると、
状態B(我慢できる)が起こる。
これを心理学ではアンカーリングと呼びます。
・ある曲を聴くと、一気に学生時代の気持ちに戻る
・ある香りを嗅ぐと、昔の恋人を思い出す。
・梅干しを想像したら、唾液が出てくる。
こうした経験もアンカーリングの一例と言えます。
タツキと一緒に遊んだ粘土の車は、
勇気にとって大切なアンカーとなりました。
それは言うなれば、お守りのような存在です。
アート作品は、
ときに大切なお守りになることができます。
第1話、勇気の見どころ
第1話のラスト(51分頃)は、私が特に好きなシーン。
再びゲームに負けた勇気が、
粘土で作った車を見つめて
なんとか気持ちを切り替える場面です。
「そんなにすぐに癇癪をコントロールできるようにならないだろう」
ご覧いただいた方の中には、そう思った方もいると思います。
心理学は万能ではないし、
アンカーリングも一朝一夕で身になるものではありません。
だからこそ、
日頃からフリースクール『ユカナイ』で育まれてきた
タツキと勇気の絆を強く感じて、
ぎゅっと握りしめられた勇気の手がアップになったとき
思わず涙してしまいました。
心に即効薬はなく、
ドラマにはならない日常の地味な積み重ねこそが大切なのだと思います。
アート作品の背後にある物語を大切にしたいと改めて感じた第1話でした。
右下にあるのが勇気が作っていた粘土の車です
粘土の紹介を少しだけ
今回勇気の作品で使用した粘土は『こむぎ粘土』です。
粘土にもいろいろな種類がありますが、
こむぎ粘土は、
・カラフル
・やわらかくて扱いやすい
・安全性が高い
・100均で気軽に買える
といったメリットが盛りだくさんです。
こねているだけで懐かしさや安心感を覚える粘土。
アートセラピーにおける粘土の意味や、
粘土の種類についても書いていきたいと思います。