アートセラピーとシェアリング

 このコラムは、2026年4月〜6月放送の連続ドラマ
『タツキ先生は甘すぎる!』の
「アートセラピー監修者メモ」として執筆したnote記事をもとに、
一部を再構成・転載しています。

関連記事一覧『https://art-method.net/category/ntv/

日本テレビ系列テレビドラマ
タツキ先生は甘すぎる!』にて、
アートセラピー監修をしています。

第9話をご覧いただけましたでしょうか?

まだの方は、
TVer、Hulu、Netflixでも
視聴可能ですのでぜひご覧ください!


以下、ネタバレを含みます

第9話のふりかえり

ついにタツキの息子・蒼空(そら)がユカナイへ…

母(優)を追いかけて暴れる蒼空。
一体何があったのでしょうか

子どもの家庭内暴力

年齢やそれまでの親子関係によって様々ですが、
子どもの家庭内暴力は、
「甘え」や「反抗」だけではなく、
「行き場のない苦しさ」等の表現であることがあります。

ただし、だからといって暴力が許容されるべきではありません。

まずは保護者や他の兄弟の安全を最優先にします。

どこか専門の機関に相談されますかと、三雲教授の台詞があったように、

警察や児童相談所への相談を検討することも必要になってきます。

蒼空のように中学生男子ともなると、
母親より力も強く、危険度も上がります。

というわけで、
9話は暢気にアート制作をしている場合ではないけれど、、、

今回はタツキ一家の過去のアート作品が多く登場しました。

アートセラピーにおける『シェアリング』とは

タツキと優さんには、これで『シェアリング』をやってもらいたいんだ

こちらも、三雲教授からの提案です。

『シェアリング』とは、
アート制作後に、作品や制作体験について語り合うプロセスです。

上手・下手を評価する場ではなく、
「何を感じたか」
「どんなことを思い出したか」
「どんな想いを表現したか」
などを言葉にして共有するための時間です。

他者の視点に触れることで新たな気づきが生まれ、
自己理解や相互理解が深まることもあります。

『シェアリング』のほか、
『鑑賞会』や『ふりかえりの時間』などのように
平易な言葉に言いかえられることもあります。

私はふだん『鑑賞会』という言葉を使っていて、
大人も子どもも、立場を超えた対話を重ねることを
意識した場所作りをしています。

対話型美術鑑賞会とは

似た言葉で、
『対話型美術鑑賞会』という言葉もあります。

対話型美術鑑賞会は美術館等で
開催されることが多い催しです。

参加者同士が作品を見ながら
感じたことや気づいたことを言葉にし、
対話を通して鑑賞を深める活動です。

知識や正解を学ぶことが目的ではなく、
「なぜそう感じたのか」をお互いに聴き合い、
多様な見方や考え方に触れることが目的とされます。

子どもの頃に作ったアート作品から見えてくるもの

二人で共通の思い出を振り返っていくうちに、
何か見えてくるものがあるかもしれない

またまた三雲教授の台詞を引用させていただきました。

子どもの作ったアート作品には、
そのときどきの成長段階やエピソードが
分かりやすく映し出されているケースが多いです。

何が描かれているのか
どんな場面なのか
人が描かれているなら、その表情はどうか
人同士が手を繋いだり、寄り添ったりしているか
描かれている人物は誰か

その他にも、

色使い
サイズ
最後まで書き終えているかどうか
全体の印象からどう感じるか

などなど、絵を見る切り口はたくさんあります。


そして子どもの拙い絵でも何を描いたものか分かるのは、
ずっと成長を見守り続けてきた親だからこそ。

タツキと優の2人が
思い出の作品や写真から見えてきたものとは・・・

ぜひ本編でご確認ください。


次回はいよいよ最終回。

『タツキ先生は甘すぎる!』
最後までどうぞお付き合いください☻

この記事を書いた人

浜端望美 (はまばたのぞみ) 公認心理師/アートセラピスト 2011年より、精神科クリニック・私立高校にてカウンセラーとして勤務する。個人へのカウンセリングの他、集団療法としてアートセラピーを実施。その後、民間企業でのメンタルヘルスの仕事に従事し、企業人へのカウンセリング・アートセラピーの実践とともに、研修講師の経験を積む。 並行して2012年より3色パステルアート®︎の名称で活動を開始。これまでの参加者は2歳〜93歳までと幅広く、延べ6000人以上に指導。現在は3色パステルアートインストラクターの育成も行い、アートセラピーの普及活動に注力している。