自分の原点に戻るアートセラピー
『タツキ先生は甘すぎる!』の
「アートセラピー監修者メモ」として執筆したnote記事をもとに、
一部を再構成・転載しています。
日本テレビ系列テレビドラマ
『タツキ先生は甘すぎる!』にて、
アートセラピー監修をしています。
第8話をご覧いただけましたでしょうか?
まだの方は、
TVer、Hulu、Netflixでも
視聴可能ですのでぜひご覧ください!
以下、ネタバレを含みます
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第8話のふりかえり
第8話は、前回に引き続き、
“いつもニコニコ!小さな大人”
小学3年生の安藤海音のストーリーでした。
そして、タツキが自身が
自分の幼少期のこと、
父との関係のことを振り返る大切な回でもありました。
「思い出の風景を描いてください」という教示
三雲教授の呼びかけで
子どもたちと一緒に絵を描くことになったタツキ
小さい頃に見た思い出の風景を描こうか
今でも記憶に残っている風景だ
これは実際にアートセラピーでよく行われる教示です。
『タツキ先生は甘すぎる!』第4話でも
同じテーマが登場しています。
みなさんは、どんな風景が記憶に残っていますか?
『思い出の風景』に描き出されるもの
風景の記憶は
“その人が育った環境や周囲との関わり”が
描かれやすいテーマです。
たとえば、
・学校からの帰り道
・よく遊んだ公園
・子ども部屋から見えた景色
・旅行先で見た風景
などなど…
これらは、単なる景色や行動だけでなく、
その頃の感情や人間関係などと
結びついていることが多くみられます。
第8話ではタツキだけでなく、
子ども4人の絵もチラッと写っていましたね。
遊園地、ショッピングモール、公園、紅葉…
それぞれ
誰と、どんな思い出があるのでしょうか。。
あえて“絵にする”ことで明確になるもの
大人が描く『思い出の風景』は、
子どもが描くものより曖昧です。
時間経過があるぶんだけ、
人生経験があるぶんだけ、
記憶も薄れ曖昧になっていくのは当然のこと。
最初の1枚は高校生の頃の絵を描き、
2枚目は小学生の頃、
3枚目は幼少期、、、
といったように、
描けば描くほど、過去に遡っていくケースもあります。
話しているだけでは思い出せなかった記憶も、感情も、
表現するのにより時間がかかる
“絵にして描く”という作業を通して、
より明確になっていきます。
安全に過去に触れる
また、記憶に残っている
“人物”や“出来事”ではなく
“風景”を描く課題は、
直接的すぎず、安全に過去へ触れやすいという特徴もあります。
思い出の風景を描くことは、
・懐かしい
・苦しかった
・安心した
・忘れていたものを思い出した
など、
作品を通して昔の自分自身と
再会するプロセスとなります。
「あの頃の自分、がんばっていたな」と感じる人もいれば、
「もっとこうするべきだった…」と後悔が湧いてくる人、
「本当はこんなふうに感じていたんだ」と、
見失っていた(あるいは見ないようにしていた)感情に気づく人もいます。
アートセラピーでは、
絵の上手下手を評価されることはありません。
大人にとって、アートセラピーにおける風景画は、
その景色に宿る感覚や記憶を、
安心して眺め直す作業ともいえます。
自分の原点に戻るアートセラピー
思い出の風景を描いたあとは、
それをゆっくりと眺め、
言葉にする(誰かに聞いてもらう)時間も大切です。
・描いている間の気持ち
・絵の中の特に気になるところ
・完成作品を眺めて感じること
そこには、自分自身でも気づいていなかった気持ちや、
新しい発見が眠っているかもしれません。
「子どもの頃の自分は何が好きだったんだろう?」
昔の記憶を思い出したら、
自分にこんな問いかけをしてみるのもおすすめです。
この“何が”の中に入るものは、
具体的な行動でなくても構いません。
・没頭する時間が好きだった
・まどろんでいる感覚が好きだった
・ワクワクする瞬間が好きだった
など、
どのような感覚が好きだったかという、
“感覚”に意識を向けていただきたいと思います。
俺は子どもの頃、絵を描くのが好きだったんだけど、
それは自由に自分を表現できるからだったんだ
算数は……パッとひらめく瞬間が楽しくて…それで大好きになって………
“自由に自分を表現できるもの”
だったら、写真でも歌でもいいかもしれない。
働き方や人との関わり方、
時間の使い方といった抽象的なものでも、
自分を表現できるのかもしれません。
“パッとひらめく瞬間”が好きなのであれば、
もっと好きな瞬間を、
算数以外にも見つけられるかもしれない。
感覚にフォーカスすることで、
“好き”はどんどん幅広くなっていきます。
タツキが描いた風景は・・・
タツキは青い空に浮かぶ雲の絵を描いていましたね。
それがどんな経験と結びついていたのか…
それは、ぜひ本編をご覧ください。
いよいよ、残すところ2話となりました。
『タツキ先生は甘すぎる!』
次回もお楽しみに☻