『ゴミはゴミのまま?』スクラップアートとアートセラピー

 このコラムは、2026年4月〜6月放送の連続ドラマ
『タツキ先生は甘すぎる!』の
「アートセラピー監修者メモ」として執筆したnote記事をもとに、
一部を再構成・転載しています。

関連記事一覧『https://art-method.net/category/ntv/

日本テレビ系列テレビドラマ
タツキ先生は甘すぎる!』にて、
アートセラピー監修をしています。

第5話をご覧いただけましたでしょうか?

まだの方は、
TVer、Hulu、Netflixでも
視聴可能ですのでぜひご覧ください!

第5話は、
“ミステリアス。引きこもりゲーマー🎮”
中学3年生の柳沢智紀のストーリーでした。


以下、ネタバレを含みます

スクラップアートとは?

今回タツキと子どもたちが作っていたのは、
スクラップアートと呼ばれるものです。

スクラップアート(scrap art)とは、
本来であれば捨てられてしまう
廃材や不用品(=scrap)を
再利用して作られる芸術作品のこと。

「ゴミ」として扱われるものに
新しい命を吹き込み、

全く別の価値を持つアート作品へと
再生させるのが最大の特徴です。

ドラマに登場したスクラップアート作品のこと

材料となる廃材はさまざまです。

学校の図工の授業で、
ティッシュ箱やトイレットペーパーの芯、
ゼリーや豆腐の容器、段ボール箱を使って
工作をした経験がある方もいるのではないでしょうか。

智紀もティッシュ箱や空き缶を組み合わせて
車を作っていましたね。

タツキが作っていたのは花。
お菓子の袋で作った花を
大切に大切に…
傷つかないようにやわらかい梱包資材で
そっと包み込んでいる姿が印象的でした。

画像
タツキが作っていたお花(サンプル)。お菓子の袋で制作しました。

ユカナイで子どもたちが作っていた
スクラップアートの素材は、
リサイクルショップで買ってきた掘り出し物。
(予算は1人500円まで!)

アクセサリー、コップ、壊れた電子機器…

スクラップアートの素材はどんなものでもok。

材料集めの段階から
子どもたちひとりひとりの個性が出るのも、
スクラップアートの魅力のひとつです。

アートセラピーにおける2次元と3次元の違い

1話〜4話までは
平面=2次元のアートが登場してきましたが、

5話のスクラップアートは
立体=3次元の作品です。


2次元の作品は、
空想の世界を描きやすい、
というメリットがあります。

たとえば、
『木の上の家』を作りたいと思ったとき。

絵なら簡単に、
木の上の家を描くことができます。


けれど、それが3次元になると…
貧弱な木の上に、
大きな家を乗せることはできません。

土台がしっかりしていないと、
理想に辿り着くことができない。

3次元のアートは、
地に足をつけるためのアートとも言われています。

心理学ではこれを、
グラウンディング”とも言います。

3次元の作品作りには、
2次元にはない「重力」や「バランス」という
物理的な制約が伴います。

自立させるために重心を考えるプロセスは、
「自立(立ち上がる力)」や「安定」といった感覚とも
深く結びついています。

中学3年生。
智紀にとっても今まさに
「自立」「安定」が
大事なキーワードとなっていくかもしれません。

ゴミのような○○

 

ゴミはゴミのまま、一生ゴミなんだよ

自分のことを「ゴミ」という智紀。

智紀がクラスメイトから言われた言葉、
周囲からの扱われ方(智紀の感じ方)、
自分自身の扱い方。

第5話は登場人物も、アート作品も
ゴミ”がテーマとなりました。

ゴミはゴミのまま?

ゴミを集めて作ったアート作品は
やっぱりゴミなのでしょうか…

ゴミはゴミのままなのか。
ゴミも芸術品に変わるのか。。

タツキ先生は甘すぎる!
第6話もお楽しみに☻

この記事を書いた人

浜端望美 (はまばたのぞみ) 公認心理師/アートセラピスト 2011年より、精神科クリニック・私立高校にてカウンセラーとして勤務する。個人へのカウンセリングの他、集団療法としてアートセラピーを実施。その後、民間企業でのメンタルヘルスの仕事に従事し、企業人へのカウンセリング・アートセラピーの実践とともに、研修講師の経験を積む。 並行して2012年より3色パステルアート®︎の名称で活動を開始。これまでの参加者は2歳〜93歳までと幅広く、延べ6000人以上に指導。現在は3色パステルアートインストラクターの育成も行い、アートセラピーの普及活動に注力している。