“自由にどうぞ”が苦しい人のためのアートセラピー
日本テレビ系列テレビドラマ
『タツキ先生は甘すぎる!』にて、
アートセラピー監修をしています。
4月25日(土)放送の第3話を
ご覧いただけましたでしょうか?
https://www.ntv.co.jp/tatsuki/
まだの方は、
TVer、Hulu、Netflixでも
視聴可能ですのでぜひご覧ください!
以下、ネタバレを含みます
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3話のふりかえり
第3話は、
“好きを見つける!ピアノと塾の二刀流”
小学6年生の橘寧々のストーリーです。
今回登場したのはビーズアート。
寧々が作っていたのは
親子を思わせる3頭の馬の絵柄です。
好きな色が選べなくて
うつろな表情を浮かべる寧々。
この場面で私はタツキの言った
自由に選んでいいよ
という言葉に対して、
それが難しいんだよ~と思ってしましました。
(タツキファンの方、ごめんなさい。でも、タツキはまだまだ未熟者の設定なのでお許しを。。)
自由という名の放置
「自由という名の放置」
これは、キミ子方式の松本キミ子先生の
言葉だったと記憶しています。
子どもだけでなく、
大人にも言えることですが、、
絵を描きはじめるときに
「自由にやっていいよ」と言われるほど、
手が止まってしまうことがあります。
「“自由に”ってどういうこと?」
「何を描いたらいいんだろう…」
正解の無いところが、
アートの良いところであり、
難しいところでもあります。
正解がないが故に、
頭で考え始めた瞬間に、
ぐるぐるぐるぐ思考は回り、固まってしまうのです。
そんなときこそ、まずは手を動かしてみる。
とにかく最初の一手をサポートすることが重要になります。
頭で考えていて分からないことでも、
手を動かしているうちに、
少しずつ見えてくるものがあります。
実際に制作にとりかかってみてはじめて、
「なんか違うな」
「こっちのほうが好きかも」
そんな感覚に出会えます。
頭で考えているだけでは、
なかなかこの感覚に辿り着けません。
褒めることより大切なこと
作品が完成したあとに、
「思っていたのと違った…」
という言葉が出ることもあります。
アートセラピーでは、
作品を上手に作ることが目的ではありません。
そのため、「きれい!」「上手!」と
過度に盛り上げることは、
必ずしも大切ではないと
私は考えています。
なぜなら、
「思っていたのと違った」という言葉の裏には、
「本当はこうしたい」という思いが隠れているからです。
もちろん、作品を褒めて自信につなげることも
ひとつの関わり方です。
けれど、褒めるだけでは、
その奥にある気持ちを見えにくくしてしまうこともあります。
そんなときは、
「本当はどうしたかった?」
「どうなったら、もっと気に入りそう?」と、
うまくいかなかったという気持ちも大切に、
ゆっくりと耳を傾けていきます。
アートのいいところは、やり直しができること。
2枚目、3枚目と描き重ねていくことができます。
安心して失敗できる経験も
必要なのでは無いでしょうか。
そんな完成までの過程を
一緒に見つめることができるのも、
アートセラピーのメリットです。
何枚も描いたあとに並べてみて、
「やっぱり1枚目がいちばん好き」と
結局最初に戻ってくることも、実はよく起こります。
他を知るからこそ、
元の良さが見えてくる。
これはアートに限らず、
いろいろな場面で起こることかもしれません。
カウンセリングの視点から
さて、劇中のビーズアートの話に戻ります。
「自由にしていい」と言われても難しいとき、
いきなりゼロから生み出すのは
ハードルが高いものです。
そんなときに役立つのが、図案のあるアート。
今回のビーズアートのほか、
ぬりえ、模写などもそのひとつです。
カウンセリングでは、
「枠」をとても大切にします。
・時間の枠
・場所の枠
・関係性の枠
枠が決まっているからこそ、
その中で安心して自由に振る舞うことができるからです。
枠が決まっているからこそ、
その時間、その場所に
しっかり集中して力を注ぐこともできます。
『枠』は相手を縛るためのものではなく、
守るためのもの。
「自由にどうぞ」
この一言は、
ときに相手を不自由にしてしまうことを
忘れないでいたいと常々思います。
自由に伴う責任
自由には責任が伴います。
子どもにその責任が負えるかどうか…
それは、年齢にもよるし、
経験値にもよるし、
ひとりひとりのパーソナリティによっても違います。
完全に「自由にどうぞ!」と放置する
(≒責任を全て負わせる)のではなく、
ある程度『枠』(または選択肢や制限)を与えて安心させる。
枠が多すぎれば不自由だし、
自由すぎるのもまた不自由。
子どもを対象にするときは特に
さじ加減がとても悩ましいです。
3色パステルアート®︎のこと
3色パステルアートのことを少し。
私が主宰しているアートセラピー
『3色パステルアート』でも、
この「枠」を大切にしています。
① 色の枠
名前のとおり、使う色は3色のみ。
② 絵のレシピ
すべての絵柄に、お料理のようなレシピがあります。
手順をレシピ化することで、安心して取り組めるようにしています。
③ 画用紙の枠
基本はハガキサイズ。
大きすぎず、小さすぎず、ちょうどよいサイズです。
こうして枠があるからこそ、
迷いすぎずに、まずは手を動かすことができる。
そして気づいたときには、
自分の「好き」の感覚が、自然と表れる。
アートセラピー監修のお仕事をきっかけに、
改めてさまざまなアートと向き合う時間をとりました。
それでもやっぱり、
3色パステルアートがいいなぁと
結局いつもの場所に戻ってきてしまうのでした。
『タツキ先生は甘すぎる!』
これまでは1話完結のエピソードでしたが、
3話は気になる終わりとなりました。
3話のために福山雅治さんが作ってくださった
主題歌『拍手喝采』の
ピアノバージョンも素敵でしたね。
やさしく包み込まれるような音色でした。
次回もお楽しみに☻