好きな色が分からない
日本テレビ系列テレビドラマ
『タツキ先生は甘すぎる!』にて、
アートセラピー監修をしています。
4月25日(土)放送の第3話を
ご覧いただけましたでしょうか?
https://www.ntv.co.jp/tatsuki/
まだの方は、
TVer、Hulu、Netflixでも
視聴可能ですのでぜひご覧ください!
以下、ネタバレを含みます
・
・
・
3話のふりかえり
第3話は、
“好きを見つける!ピアノと塾の二刀流”
小学6年生の橘寧々のストーリーでした。
今回登場したのはビーズアート。
寧々が作っていたのは
親子を思わせる3頭の馬の絵柄です。
好きな色が選べなくて
うつろな表情を浮かべる寧々。
迷った末に、
母馬をピンク、
父馬を茶色でそれぞれ作りはじめます。
お母さんピンクが好きだし。
お父さんもこういう色が喜ぶと思って。『タツキ先生は甘すぎる!』第3話より
そこに、寧々の好みは反映されていたのでしょうか…
最後に子馬をピンクと茶色の2色で作り、
寧々のビーズアートは完成しました。
なぜ「好きな色」が選べないのか?
アートセラピーをしていると、
寧々のように
「自分の好きな色が選べない」
という子とよく出会います。
子どもだけでなく、
大人にも多くみられる発言です。
「おかしな選択だと思われたらどうしよう…」と、
周囲からの目を気にしすぎて選べなかったり
「自分の好きなものが分からない」と、
自己の喪失感を抱えていたり
「ピンとくるものが何もない」と、
心が動かなくなってしまっていたり
好きな色が選べない理由にも
いろいろあります。
さて、寧々の場合はどうだったのでしょうか。
ひとつの要因が100%というよりは、
複数の要因が混ざり合って
「好きな色が選べない」状態になっていたように感じました。
「ダブルバインド(板挟み)」の心理学
寧々のお父さんは勉強をやらせたい。
お母さんはピアノをやらせたい。
心理学ではこれをダブルバインドと呼びます。
カタカナで格好よく言ってみましたが、
いわゆる“板挟み”です。
・お父さんとお母さんの意見が合わない。
・上司Aと上司Bの言うことが違う。
・職場ではもっと残業してと言われ、
家庭ではもっと早く帰ってきてと言われる。
生きているといろいろな板挟みがあります。
板挟み状態にいるとき、
人は自分のことを見失いがちになります。
なぜかというとそれは、
人のことを考えすぎて
自分のことに目が向かなくなってしまうからです。
自分のことに目が向かない日々が続くと、
自分でも自分のことが分からなくなってきます。
ダブルバインドにいるときは、
一旦そこから距離をとって
ひとりの時間を持つことが必要です。
安全な場所で充分な時間をすごすことではじめて、
落ち着いてじっくりと自分の内側に目を向けることができます。
けれど現実は、、、
家に帰れば両親はいるし、
仕事も家庭も待ってはくれません。
板挟み状態から抜け出すのは、
相当難しいケースが多いのではないでしょうか。
理屈では分かっていても、
現実はそう都合よくいかないものです。
寧々にとっては、
ユカナイが落ち着ける居場所、
自分を取り戻せる時間だったのかもしれません。
私もアートセラピーを通じて
そんな場所や時間を提供していきたいと思っています。
小さな“好き”を積み上げる
魚より肉が好き。
お肉の中では鶏肉が好き。
鶏肉なら唐揚げが好き。
くだらないほど小さな好きかもしれませんが、
人はこういった小さな“好き”の積み重ねで生きています。
好きと言う感情は頭ではなく心から湧いてくるもの。
それは、これからの人生を歩んでいく指針になります。
好きを見つけるための小さな一歩
好きなものが分からなくなってしまったとき、
まずは小さな一歩からはじめるのが大切です。
好きな色が選べない状態の時に
進路は選べません。
好きな色
というシンプルなものが分からなくなっているときに
「さあ自由に描いて!」
というのも、
あまりにもハードルが高すぎます。
図案が決まっていて
色の選択肢もある程度限られているビーズアートは
今の寧々にぴったりのアイテム。
どの図案が好きか
どの見本が好きか
どの色が好きか。
ひとりで作るのと、
みんなで作るのではどちらが好きか。
完成したらどこに飾りたいか
誰にプレゼントしたいか
次はどんな図案に挑戦したいか
ほんの小さなきっかけから、
好きを積み上げていくことができるのが
アートの魅力のひとつです。
頭で考えるより、心で感じることを選ぶ
みなさんの好きな色はなんですか?
それはなぜですか?
私は、
頭で考えるより、
心で感じられる“好き”を大切にしていきたいと思っています。
なぜ好きか?を言葉で流暢に語れるよりも、
「なんか好き!」という感覚のほうが
いずれ自分を幸せにしてくれるのではないでしょうか。
『タツキ先生は甘すぎる!』
これまでは1話完結のエピソードでしたが、
3話は気になる終わりとなりました。
次回もお楽しみに☻
放送後の余談
出演者の方々のファンのみなさまから
「TVerランキング○位だよ!」と
喜びのご報告を受けることがあります。
「みんなランキングって気にしてるんだ!
私も1回ぐらい再生しておかねば!!」と、
リモコンを手にとってしまう自分がいました。
本来の私は、
TVerのランキングや視聴率なんて
1mmも気にしない人間だったのに…
ピアノを頑張ればお母さんが喜んでくれる。
勉強を頑張ればお父さんが喜んでくれる。
だから好きでもないことを頑張る。
まるで寧々のような状態になっていました。
ドラマ本来の“伝えたいこと”のために協力したい。
その原点に戻って携わっていきたいと思います。
とはいえやっぱり上位にくると嬉しいもので。
お時間のある方はぜひ
2回目3回目と味わっていただけますと幸いです。