アートセラピーで“葛藤”を描く

日本テレビ系列ドラマ
『タツキ先生は甘すぎる!』にて、
アートセラピー監修をしています。

4月18日(土)放送の第2話を
ご覧いただけましたでしょうか?

https://www.ntv.co.jp/tatsuki/

まだの方は、
TVer、Hulu、Netflixでも
視聴可能ですのでぜひご覧ください!


2話でメインとなったのは
“文武両道!歴史オタクなサッカー少年”
小学5年生の杉谷朔玖のストーリーでした。

今回登場したアートは
・コラージュ
・お面
のふたつ。

コラージュについてはこちらから。
https://art-method.net/?p=718

この投稿では、
お面づくりについて書いていきたいと思います。


以下、ネタバレを含みます

第2話後半のアートはお面!

第2話の後半では、
朔玖とタツキが
2人でお面を作っているシーンがありましたね。

朔玖のお面の表は、サッカー選手のメッシ。
裏面は、戦国武将の織田信長。

サッカーと歴史が好きな朔玖。
でも、歴史オタクなことはみんなに秘密。
そんな心情が描かれたお面でした。

一方のタツキは、
表面が金髪で笑顔の自分
裏面は黒髪で泣いている自分

2人とも
どちらが本当の自分なのでしょうか・・・

ひとりの人の中には、たくさんの“面”がある

〇〇な自分、
××な自分、
△△な自分、

ひとりの人の中に、
たくさんの面があります。

そのどちらか片方がその人の“本当の姿”
というわけではなく、

いろんな面を持って
1人の人間が作られているのだと思います。

友だちに見せる顔
親に見せる顔
父親にだけ見せる顔
母親にだけ見せる顔

趣味を楽しんでいる自分
勉強や仕事に打ち込んでいる自分
ひとりでぼーっとしている時の自分

母として、
妻として、
娘として、

笑っていたり、
泣いていたり、
怒っていたり、

あげればキリがありません。
さらには、
『まだ自分でも気がついていない自分』
もいるでしょう。

場面や人に合わせて自分を切り替えていくことは、
「裏表がある」というよりは
「社会性がある」といえるかもしれません。

とにかく、
人にはたくさんの“面”があり、
そのたくさんの“面”が集まって
ひとりの人が形成されています。

アートセラピーで“葛藤”を描く

Aの面の自分と
Bの面の自分との
意見が合わないとき、
または感情が合わないとき、
人は葛藤を覚えます。

私が普段行っているアートセラピーでは、
この葛藤を1枚の絵に描くことがあります。

たとえば、
「好きな自分と嫌いな自分」
「仕事の自分と家庭の自分」
「外から見た自分と内からみた自分」
などなど…
葛藤の描き方は多様にあります。

『好きな自分と嫌いな自分』作品例 *事前に許可をいただいた作品を掲載しています

描くことで、葛藤の正体がより明確になったり、
絵を眺めてみたら、嫌だと思っていた面も意外と良く思えたり、

実はふたつは繋がっていた、
と気がついて間の境界線をつぶしてみたり、、、

もちろん描いても何も出てこないこともありますが、
それもそれでok。

日頃なんとなく感じていることをじっくり味わって
落ち着いた空間の中で眺めてみるだけでも、
大きな意味のある行為ではないでしょうか。

結論を急がず、作品としてわきに置いておける、
というのも、
アートセラピーのメリットのひとつだと感じています。

生きづらさのお面を脱いでいく

『タツキ先生は甘すぎる!』第2話では、
運動会のダンスで使うお面の宿題、
というストーリーにのせて

周囲に見せているサッカー好きの面をメッシで、
周囲には秘密にしている歴史オタクの面を織田信長で、
それぞれ表現しました。

完璧主義な朔玖は、
運動会のダンスがうまく踊れない“ダサい”自分を
周りに見られたくなくて不登校に…

けれど、第2話の後半、
そんな朔玖の思いとは裏腹に、
友だちから

「別に完璧だなんて思ってないよ」
「天然なとこあるよね」

『タツキ先生は甘すぎる!』第2話より

と言われてしまいます。

自分が思っている自分のキャラと、
周囲から思われている自分のキャラが
乖離しているのは、良くあることです。

うまくできなくても一生懸命ダンスを踊るシーンは、
まるで朔玖自身が「優等生というお面」を
脱いでいく姿にも感じられました。

お面制作に使った材料

今回のお面制作には、
紙皿とゴム紐(平たいタイプ)を使用しています。

アートセラピーの敷居を高くしたくないので、
私は普段から
手に入りやすい材料を使うことを心がけています。

両面使えて安価で手に入る紙皿は
お面づくりにぴったり。

頭に通す部分は、
裏表どちらでもつけられるようにするため
ゴムを使いました。

ダンスをしていても外れないくらいには
ぴったりかぶることができます。


『タツキ先生は甘すぎる!』
第3話は4月25日(土)21時より放送です。

次回もお楽しみに☻

この記事を書いた人


浜端望美 (はまばたのぞみ) 公認心理師/アートセラピスト 2011年より、精神科クリニック・私立高校にてカウンセラーとして勤務する。個人へのカウンセリングの他、集団療法としてアートセラピーを実施。その後、民間企業でのメンタルヘルスの仕事に従事し、企業人へのカウンセリング・アートセラピーの実践とともに、研修講師の経験を積む。 並行して2012年より3色パステルアート®︎の名称で活動を開始。これまでの参加者は2歳〜93歳までと幅広く、延べ6000人以上に指導。現在は3色パステルアートインストラクターの育成も行い、アートセラピーの普及活動に注力している。

この記事を書いた人

浜端望美 (はまばたのぞみ) 公認心理師/アートセラピスト 2011年より、精神科クリニック・私立高校にてカウンセラーとして勤務する。個人へのカウンセリングの他、集団療法としてアートセラピーを実施。その後、民間企業でのメンタルヘルスの仕事に従事し、企業人へのカウンセリング・アートセラピーの実践とともに、研修講師の経験を積む。 並行して2012年より3色パステルアート®︎の名称で活動を開始。これまでの参加者は2歳〜93歳までと幅広く、延べ6000人以上に指導。現在は3色パステルアートインストラクターの育成も行い、アートセラピーの普及活動に注力している。