商標登録など〜私がアートセラピーをお仕事にするまで(2016年後半)

商標登録など〜私がアートセラピーをお仕事にするまで(2016年後半)

「どうやったらアートセラピーを仕事にできるの?」

一般的な会社員と違って、大々的に求人があるわけではないアートセラピストのお仕事。
『アートセラピーの教科書』をご覧になっている方には、どうやったらアートセラピストになれるのか知りたい人も多いのではないでしょうか。

私自身がアートセラピストになるまでの道のりを書き記しておきます。今回はその第四弾。
かかった費用等も公開していますので、これからアートセラピーのお仕事をしようとしている方はぜひ参考にしてくださいね。

はじめての商標登録

独立と同時に、自分が行っているアートセラピーを『3色パステルアート』と名前をつけました。
商標登録のために動き出したのもこの頃です。

↑3色パステルアートの登録証書。

商標登録は当然はじめてのことで、まず何からはじめたら良いのか検討もつきませんでした。
そこで、既に商標登録をとった経験がある人に相談してみたところ、知財センターを紹介してもらいました。

正確には知的財産総合センターという公的機関です。

知的財産(特許・意匠・商標・著作権等)に関する相談に、専門知識と経験を有する専門家が中小企業の皆さまの抱える問題点を整理し、実践的・総合的にアドバイスします。 必要があれば、弁理士、弁護士が相談に加わり、専門的なアドバイスをします。

と知財センターのホームページに記載がある通りでした。

・商標登録をしたい名称
・どのような権利を持ちたいのか
などを説明すると、商標登録の申請に必要な書類を作成してもううことができました。

「想像以上に簡単だ!」
と当初は思っていましたが、なんとはじめての申請は却下。

自分の行っているアートセラピーはどのようなものなのか、一般の人でも分かるように説明することの大切さを感じました。
再び知財センターに出向いてきちんと説明し直し、新しく書類を作成。
商標登録が完了するまでに1年以上かかりました。

商標登録は必要?

自分自身の活動をどのような希望まで育てたいのか、いつまで続けたいのか、それぞれの希望によって、どこまでやるかというのは変わってくると思います。

主婦業の合間にボランティアだけで活動している方もいらっしゃいます。
会社員をしながら副業として、という人も多いでしょう。

そのためか、アートセラピーを5年以上続けているという人は、実は少数派。
ブログやホームページの最終更新が1年以上前という状況をよく目にします。

私が取得した商標の期限は10年間です。
これは、「少なくとも10年間は3色パステルアートを続けていきますよ」という意思表明でもあります。

あなたにお仕事を頼もうか迷っている人にとって、商標登録が信頼のための根拠になります。
商標登録はサービス名でも屋号でも取得することができます。

本格的にアートセラピーをお仕事にするのであれば、一度検討してみてはいかがでしょうか。

この頃のアートセラピーのお仕事のスタイル

この時期も基本的な活動は同じで、
・定期的にワークショップを開催
・様々な施設に訪問してアートセラピーを実施(有料・無料共に)
・雑誌の表紙絵を担当
などを続けていました。

お仕事の依頼はホームページからいただくことが多かったのですが、だんだん口コミでお仕事の依頼が来ることも増えてきました。

自分がコツコツ作ったホームページからのご依頼はとても嬉しいものです。
しかしそれ以上に、今まで参加してくださった人が「すごく良かったから」と言って人を紹介してくれることは嬉しいものです。

この期間にかかった費用

・商標登録費用…77,000円(2区分/出願料+登録料10年)
・サイトドメイン利用料…699円/年
・レンタルサーバー利用料…500円/月
・材料費…500円/人
・会場費(主に新宿)…3000円/時
・コンサルティング…4,600円/月

この頃の収入のメインはワークショップ毎の売り上げがメイン。それに加えて個別のセッションや絵の原稿料などです。30~40代男性会社員の平均収入の2倍くらい。気になる方は調べてみてください。

編集後記

アートセラピーのお仕事が順調に流れに乗りはじめた時期です。
それと同時に、『アートセラピー』という言葉すら知らない人に対して、どのように自分の仕事を説明するのかに苦戦した時期でもあります。

アートセラピーの効果やメリットを、論理的に説明する必要がある機会がたくさんありました。
商標登録はそのひとつです。
その他にも、アートセラピーを実施する施設の決算者や、ホームページの文章、お問い合わせメールへの返信などなど…。

『癒し』『デトックス』『ストレス解消』などの曖昧な言葉ではなく、「なぜそれが可能なのか?」その仕組みを論理的に説明できるような準備が大切です。

そのような一歩一歩の積み重ねが、やがて多くの人の信頼を獲得してお仕事につながります。
『人を紹介してもらえるようになった』という事は、自分自身に実力がついたと言って良いでしょう。

人を紹介するということは勇気のいることです。
映画でも、「楽しんでいるかな?」「期待はずれだったらどうしよう…」と誘うのをためらう人がいます。

人を紹介してもらえる=この人なら間違いない。と信頼してもらえている証拠です。
たくさんの人のつながりに感謝しながら仕事ができることも、アートセラピーの魅力です。

 

 

About|この記事を書いた人

浜端望美(はまばたのぞみ) 心理カウンセラー 3色パステルアート主宰一般社団法人日本心理療法協会 事務局長ベスリクリニックこころ外来 勤務JAPAN MENSA会員   1986年生まれ。神奈川県横浜市出身。大学卒業後、広告業界に就職。印刷やデザインに携わる仕事をしながら、本格的にカウンセリングを学びはじめる。 2011年心理カウンセラーの資格を取得し転職。椎名ストレスケア研究所(株)に勤務し心理カウンセラー・講師としての経験を積む。その後、心療内科デイケア勤務や研修講師などの経験を経て独立。現役の心理カウンセラーでありながら、優秀なアートセラピストの育成、アートセラピーの普及活動に尽力している。 日本ではまだなじみの浅いアートセラピーを、メンタルケアの現場に積極的に取り入れ、そこから得たノウハウを体系化。『癒し』『デトックス』などという、漠然とした言葉で語られがちなアートセラピーの領域を、論理的に、かつ分かりやすく解説する。論理と感情がバランス良く組みたてられた独自のカリキュラムは、アートセラピストだけでなく、心理カウンセラー、コーチ、看護師、教員、療育担当者、デザイナー、経営者など幅広い層に定評がある。NEXT MORE >>>